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帝国ホテル東京でアフタヌーンティー 透ける伝統と革新

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歴史の舞台を思いながら

帝国ホテル東京にアフタヌーンティーへ出かけます。
豪華な外資系ホテルは素晴らしいけど、伝統ある日本の御三家もいいはず。
負けないようにがんばってほしい。そんな思いで向かいました。

17階、インペリアルラウンジアクア。案内された席から見える景色。
目の前にそびえるのは、NBF日比谷ビル。明治時代に外国の高官らをもてなした社交場「鹿鳴館」があった場所です。

そもそも帝国ホテルは、鹿鳴館とともに外交の拠点となるよう、渋沢栄一によって設立された経緯があります。
鹿鳴館とは切れない縁があるのです。
その鹿鳴館は1940年に取り壊され、現在では「鹿鳴館跡」のプレートが残るのみです。

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日比谷公園が窓外に広がります。
公園内の茶色い建物は日比谷公会堂と市政会館。
日比谷公会堂と言えば、1960年、社会党委員長の浅沼稲次郎が
演説中に壇上で、17歳の少年に刺殺された事件が起きた場所です.


犯行の瞬間を撮った毎日新聞社のカメラマンは、日本人初のピューリッツァー賞を受賞しました。
事件を追った著書として、沢木耕太郎の「テロルの決算」が有名です。

かまぼこ型の屋根を持つ建物は、日本プレスセンタービル。ドラマ「半沢直樹」で「伊勢島ホテル」として登場したビルです。

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話が脱線しました。
われわれは「窓側指定なし」の予約でアフタヌーンティーにやってきました。その際に案内された席がここで、窓から見える景色は方角的に南(内幸町、新橋方面)です。

窓側指定なしの予約だと、窓に面していない席か、窓側であっても南向きの席になるケースが多いようです。

なぜ指定なしで南向きがあてがわれるかというと、スタッフいわく、北向きの方が景観がいいから、だそうです。

というわけで、北向きはどんな景色かというと、こんな感じです。
手前に日比谷公園、その先に皇居とビル群。
緑あふれる景観を楽しめます。
確かに、こちらの方が圧倒的にいいです。

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ただし、窓側指定の予約には問題もあります。座っていられるのが2時間になってしまいます。
窓側指定でなければ、時間制限はありません。
時間を気にせず楽しむティータイムを取るか、はたまた2時間限定で素晴らしい景観を取るか。きちんと決めて予約しましょう。

さて、訪れた日は9月2日。
帝国ホテルでは2017年9月1日~30日、英国フェアなるものを開催しており、アフタヌーンティーも特別仕様に
なっていました。

公式HPを見てみると、エリザベス女王の生誕90年を祝して開催するとのこと。さる1975年、女王が来日された際、宿泊先だった赤坂迎賓館での接遇を帝国ホテルが担当したらしく、その縁あってフェアに至ったらしいです。

なるほど、ではそれを踏まえた上でアフタヌーンティーを楽しみましょう。

メニューです。値段は消費税込みで4,860円。
これにサービス料10%が加わり計5,346円。

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以下は飲み物のメニュー。

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ラウンジの雰囲気。左側の棚にはウイスキーなどの取り置きボトルがずらりと並んでいます。

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「IMPERIAL HOTEL」のお手拭き。

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さて、料理が運ばれてきました。
まずはこの2品。
チェダーチーズとサラミのピンチョス(左)、スティルトンとブロッコリーのスープ。
チーズとサラミの適度なしょっぱさと甘いスープがよく合います。

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来ました3段トレー。

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一段目のトレー。
手前から時計回りに、アップルクランブル、コーディアルゼリー、マカロンフランボワ、カップケーキ。
この中では、カップケーキがよかった。
見た目ぱさぱさしてそうなのに、しっとりとしていて、それでいてベタついた感じもない。上に載せられた生クリームとの相性もよく、おいしくいただけました。

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アップルクランブルに載ったチョコには「IMPERIAL HOTEL」の文字。

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真ん中を飛ばして下の段。サンドウィッチが3種類。
左から卵と胡瓜・ミント風味、トマトブレッドのシュリンプ、コロネーションチキン。
コロネーションチキンはカレーパウダーが使われており、個人的には初体験だったので、新鮮な感じがしました。

右側の細長い一品は、スコティッシュスモークサーモンのタルティーヌ。
タルティーヌはフランス式のオープンサンドウィッチのこと。
「英国フェア」だけど、フランス式。
でも、サーモンとオリーブが薄切りのパンとよく合っていておいしかったです。

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そして、2段目です。ここが面白い。
鱈のフィッシュ&チップスモルトヴィネガーとタルタルソース添え。

いやはや、イギリスと言えば確かにフィッシュ&チップスで、異論はありません。

しかし、アフタヌーンティーという女子が多く群がるものに対して、こういう揚げ物をよく持ってきたなと。その勇気に恐れ入りました。

日本人的な感覚では、鱈の揚げ物は夜食のおかず。いくらおいしくても、多くの女子がこういう場で求めるのは、やはりスイーツ系でしょう。

それを分かっていながら、あえてぶつける気概たるや、なかなかできるものではないでしょう。

そもそも、アフタヌーンティーは英国発祥です。
そこにあえてフィッシュ&チップスで英国を強調しなくてもいいのでは、と個人的には思いました。

おいしかったのは間違いないので、不満というわけではありません。ただ、すごく驚きました。

写真奥に見える一品は、コーニッシュパスティ。
イギリス南西部、コーンウォール地方の伝統的な食べ物です。
薄いパイ生地に牛肉などを載せ、端っこに折り目を付けて包み込む。
餃子を作るような感覚でしょうか。
牛肉の甘みがパイ生地とマッチしてなかなか美味な一品でした。

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3段トレーと別で、レーズンスコーンと
プレーンスコーンがきます。

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ストロベリージャムとクロテッドクリーム。このクロテッドクリームがおいしいこと。スコーンによく合います。

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紅茶、コーヒーは飲み放題。
われわれは、ダージリンやタンドレス、ホワイトアプリコットなどを注文しました。カップはノリタケ製。

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最後に運ばれてきたのは、ビターチョコレート、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ。
ピスタチオはよくマカロンやアイスクリームで口にしていましたが、豆そのもので食べたのは個人的には初めてでした。

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ごちそうさまでした。
帝国ホテルのアフタヌーンティー、楽しめました。
帝国ホテルといえば、やはり日本を代表するホテルの1つ。ホテルの居住まい、ラウンジの雰囲気に重ねた時の重みを感じます。

冒険心あふれるホテルではなく、どちらかと言えば保守的な世界に属すると先入観を持って見られがちかと思います。

ところがどっこい、今回の英国フェア。フィッシュ&チップスを3段トレーの2段目に入れてくるという大胆さ。

並のホテルではできないでしょう。

そんなことを思いながら、帝国ホテルのHPを見ていると、こんなキャッチフレーズを見つけました。

「伝統は常に革新とともにありました」

いわく、帝国ホテルは日本で最初にホテルでランドリーサービスを始め、日本で最初にホテルウェディングを始め、日本にバイキングスタイルの食事を広め、日本のホテルで初の不動産事業に乗り出し、日本のホテルで初めて週休2日制を取り入れたのだそうです。

だから「革新」。

なるほど、そういうホテルであれば、フィッシュ&チップスをトレーに載せるくらい、訳ないことかもしれません。

今回のアフタヌーンティーを通じて、帝国ホテルへのイメージが変わりました。

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