きら星のごとくラグジュアリーホテルが集まるドバイにあって、マディナ ジュメイラは指折りの規模と豪華さを誇るリゾートです。「ジュメイラの街」を意味するその名にふさわしく、アル カスル、ダル アル マシャフ、ミナ アッサラーム、アル ナシームの4ブランドから成ります。われわれはアル カスルに宿泊しました。アル カスルおよびマディナ ジュメイラは一体どんなリゾートなのか、詳しく見ていきたいと思います。※ 2018年10月時点。1ディルハム(AED)=31円で計算。
重さ5トンのスワロフスキー製シャンデリア
アル カスルの正面入り口です。車寄せの中央に馬のオブジェをあしらった噴水があります。

反対側から見た馬の噴水。たてがみから水が噴き出しています。

アル カスルは「宮殿」の意味。まさにそのままの外観です。

エントランスです。

チェックインカウンターで手続きをします。

チェックイン手続きを終えて部屋へ向かいます。ロビーでは、名物のスワロフスキー製のクリスタルシャンデリアが出迎えてくれます。目がくらむようなきらびやかさです。天井から3灯、下がっています。公式ホームページによると、重さは5トン。その重量に耐えられるように、特別な柱を設けて天井を支えているそうです。

個人的には、見たことがないほどの大きさのシャンデリアでした。

客室前の廊下。

客室前です。隣の部屋と2つ並びになっています。われわれの部屋は、左側の扉です。

客室もアラビアンテイスト
部屋に入りました。広さは55平方メートル。じゅうたんや調度品はシックなアラビック調で統一され、ホテル全体の雰囲気にとてもマッチした作りになっています。

部屋を窓側から。なんといっても、3連アーチが印象的です。客室を「宮殿」らしくするにあたって、このアーチは効果的な役割を果たしているのではないかと思います。

アーチ部分のアップ。

リゾートホテル恒例のタオルアート。しかし、これは何を模しているのでしょう。

テレビ。WELCOME Mr.●●●とわれわれの名前が表示してあります。

テレビ画面で天気予報を表示できます。10月初旬の最高気温は40度前後です。とても暑いですが、画面上で「HUMIDITY」(湿度)が19%になっている通り、カラッとしているので、日本の夏のような不快さはあまりありません。

テレビ台の左の扉を開けると、ミネラルウォーターのペットボトルがあります。小さなボックスには、紅茶などが入っています。

ボックス内にある紅茶のティーバッグはNEWBY。2000年にロンドンで誕生した比較的新しいブランドです。詳しくは「旅行記12」で紹介しますが、NEWBYの茶葉はブルジュ アル アラブのアフタヌーンティーでも用いられています。

テレビ台右側の扉を開くと、グラスやワイン、ウイスキーが収められています。

カップは日本製のニッコー。「世界一白い」を称されるファイン ボーン チャイナです。

ウイスキーは、ジョニーウォーカー黒ラベル。

備え付けられた有料の菓子類。パッケージはジュメイラのオリジナル。

冷蔵庫の中身。ハイネケンや7UP、ペプシコーラなどがそろえられています。

写真左手の扉が部屋の入り口、右手はバスルーム。その真ん中にこのような収納が置かれてます。この収納の左手一番上の引き出しを開くと…

中にドライヤーが入っています。コードがこの収納に固定されているので、バスルームに持って行って使うことはできません。この収納の前に立って、髪を乾かすことになります。もっとも、収納の上に顔を映す鏡、左手に全身鏡があるので、特段困るわけではありません。

ベッドサイドテーブル。

ベッドサイドテーブルに置かれた機器。これでエアコンの温度の上げ下げ、照明のオンオフなどを行います。左から2列目、上部のマークは「Don’t Disturb」(部屋に入ってこないで)、下部は「Bed making」(掃除をして)。このボタンを押して、スタッフの人にこちらの状況を伝えます。

部屋に用意されたウェルカムフルーツ。チェックイン時に置いてあるだけで、食べたらそれでおしまいというホテルもありますが、ここは何も言わなくてもちゃんと補給してくれます。われわれは毎日バナナを食べているので、これはありがたかったです。

フルーツとともに置かれている小箱。開いてみると…

中身は、デーツでした。UAEに限らず、中東と言えば、やはりデーツ。ナツメヤシの実です。

さっそく一粒、いただきます。食感は干し柿のようですが、干し柿ほどの甘さはなく、くどさもなく、気軽に口にできる味です。

ロッカー。ハンガーや寝巻が掛かっています。

ランドリーバッグ。右手はマディナ ジュメイラの紙袋。

リゾートホテルに置いてあるオリジナルのビーチバッグがないものかとロッカー内を探してみたのですが、どこにもありませんでした。後にホテルスタッフに聞いてみたところ、スイートルームだけに無料で配備しているということでした。われわれは安い部屋に泊まったので、なかったわけです。今回の宿泊で唯一がっかりした点がこれでした。全室にあれば文句なしでしたが、それはわがままというものでしょうか。
ちなみにマディナ ジュメイラのオリジナルビーチバッグは、ホテル内のショップで販売しています。(後ほど写真付きで紹介します)
洗面台はドイツの陶磁器メーカー、ビレロイ&ボッホ製です。右手奥の丸い鏡は、拡大鏡です。

アメニティ類。手前の細長い箱は歯ブラシです。日本ではあまり見ないようなヘッド部分が大きい作りなので、使いづらいという人もいるかもしれません。可能ならば、慣れたものを持参した方がいいのではないかと思います。

ミネラルウォーターとコップ。部屋には常時、500mlのペットボトルが7,8本くらい用意され、飲んだらすぐに補給してくれるので、水で困ることはまずないと思います。水そのものの味も全く問題ありません。

バスタブ。十分に足を伸ばせるだけの大きさがあります。

トイレ。温水洗浄便座ではありません。そもそも、ドバイに温水洗浄便座はあるのでしょうか。ショッピングモールなどで見るのは、長いホースが付いているアラブ式トイレばかり。発想は温水洗浄便座と同じなのですが、アラブ式ではホースを手で持って、自分でお尻を洗います。なので、個室に入ると、床面がびちゃびちゃになっていることがよくあります。

シャワールーム。通常のシャワーヘッドのほか、天井にオーバーヘッドシャワーも取り付けられています。

シャンプーとボディーソープは、アムアージュ(Amouage)というオマーンのブランドです。アムアージュは、「世界一高級」と言われる香水を作っていることで知られています。一体どんな香りなのでしょうか。

部屋の紹介は以上です。次に、ホテル内のショップについて少し見てみます。
マディナ ジュメイラ オリジナルの人形も
アル カスルにはわれわれが確認できた限り、ブティックが2店、ギフトショップが1店、あります。ホテルの規模に比して多くありませんが、これはスーク マディナ ジュメイラが隣接する形で設けられているためと思われます。たいていのものはスークにあるので、土産物などを探す際はそちらに行ってみましょう。スークに関しては、この先の「旅行記 5」でお伝えします。
ブティックのLevant Couture。同じジュメイラグループのジュメイラ ザビール サライのほか、アトランティス ドバイにも入居しているとのことです。

シャープな印象の服が多く、センスがいい店だと感じました。

もう1店のブティック、Stefano Ricci。日本の百貨店でも扱っているイタリアのブランドです。

アル カスル内のショップ、Al Dukan。店名は「Shop」を意味するアラビア語。それほど広くありませんが、スークに売っていないものもあるので、訪れる価値はあるでしょう。

スークでは売っていない商品の一つ、マディナ ジュメイラのぬいぐるみ。見た目は牛っぽいのですが、店員さんいわくラクダなのだとか。ジュメイラグループのロゴとMADINAT JUMEIRAHの文字が白抜きで入った赤いチーフを巻いています。80AED(約2,500円)。気に入ったので、買ってしまいました。クリスマスシーズンは赤いサンタの帽子をかぶせているそうですが、「たくさん余っている」とのことだったので、無料でもらいました。

サンダルとラクダの人形。ドバイで人形と言えば、ラクダばかり。どの店を見ても、犬や猫はほとんどいませんでした。

こちらにもラクダのぬいぐるみ。ジュメイラのロゴをあしらったクリーム色のバッグが、オリジナルビーチバッグです。スイートルームにのみ無料で置いてあります。ここで買うと100AED(約3,100円)です。素材は麻だと思いますが、値が張るだけあって、作りはなかなかしっかりしています。

アル カスルとミナ アッサラームの間にスーク ジュメイラ
次に、建物の外に出て、リゾート内を巡ります。まずはマディナ ジュメイラの中でアル カスルがどういう位置にあるのか見てみましょう。アル カスルでの滞在を楽しむ上で、リゾートの全体像を把握することは大切です。なぜなら、4つあるホテルの行き来は自由で、レストランはどこでも利用できますし、プールに関しても、ダル アル マシャフのプライベートプールを除けば、どこでも入ることが可能だからです。
これはチェックイン時にもらったリゾート全体のマップです。

そのマップを加工し、位置関係が分かるようにしたものが下の図です。

マップで言うと左寄りの中央にアル カスルが構え、その周囲に張り巡らされた運河沿いにダル アル マシャフのヴィラが並びます。ダル アル マシャフの宿泊者は、アル カスルのエントランスを利用し、チェックインカウンターも共通になります。運河はミナ アッサラームの前まで続いており、アブラと呼ばれる舟が運航されています。ホテル間の移動などにとても便利です。
アル カスルとミナ アッサラームの間には、スーク マディナ ジュメイラが設けられています。スークはアラビア語で商業地区の意味で、土産物や服飾などさまざまなものを売っています。両ホテルから、外の道路に出ることなくアクセスすることができます。
アル ナシームは2016年12月にオープンした、マディナ ジュメイラで最も新しいホテルです。海に向かって右手前方には、同じジュメイラグループのブルジュ アル アラブがそびえます。
また、ダル アル マシャフのヴィラとスークの間には、とりわけ豪華なヴィラであるマラキヤ ヴィラ(Malakiya Villas)が並びます。ダル アル マシャフと区別する形で命名されていますが、わずか3棟しかないため、独立したブランドとしてガイドブックなどで紹介されている例はあまりありません。
以上がマディナ ジュメイラの基礎知識となります。
運河の総延長は2.8キロ
マディナ ジュメイラ内の運河で運航されているアブラに乗ってみます。
アブラ乗り場です。リゾート内には19の乗り場があります。暑い中、広いリゾートを歩く必要がないので、とても便利です。とりわけ、徒歩での移動距離が長くなりがちなダル アル マシャフの宿泊者は、近くに乗り場が必ずあるので、とても重宝すると思います。

それなりの数の舟が運航されているので、待ち時間は長くありません。われわれは、最も待った時で5分弱だったと思います。それでも暑さをしのぐために、このような日除け付きのベンチが設けられている乗り場もあります。

アル カスルのアブラ乗り場。

アブラの中から。運転手の周囲が布張りの台座になっており、乗客はここに座ることができます。

舟は原則として、乗ったらすぐに出発します。一定数の客が集まるまで待つ、といったことはありません。ですので、往々にして貸し切り状態での運航があります。

アブラから見たミナ アッサラーム。アル カスルに劣らず、こちらもかなりの大きさのホテルです。

ミナ アッサラームのアブラ乗り場。

アラビアの世界に迷い込んだ気分になれます。まるでテーマパークです。

アブラの上からリゾート内の建物を見るだけでも楽しめます。

眺めがいい運河沿いには、多くのレストランが並びます。われわれは運河沿いのレストラン3店にディナーで訪れました。詳細は、マディナ ジュメイラのレストランをまとめた「旅行記4」でお伝えします。

アブラから見たスーク マディナ ジュメイラ。ここも運河に面した部分はレストランになっており、屋外テラス席があります。

運河をまたぐ橋の上から。グーグルマップを用いて距離測定してみたところ、マディナ ジュメイラに張り巡らされた運河の総延長は、約2.8キロありました。一つのリゾートホテルが設けたとは思えない長さです。

運河には海水が引かれており、魚の姿を見ることができます。

アル カスルの部屋や運河の紹介はここまでです。次のページで、マディナ ジュメイラのプールやビーチを見ていきます。

下記リンクは旅行記1


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