ウィーンはとてもコンパクトにまとまった街です。観光スポットも買い物エリアも、旧市街およびその周辺に集まっています。移動にそれほど時間をかけることなく、いろいろなところを訪れることができます。
土産物店においても同様です。街の中心部を歩けば、自然といろいろと買いたいと思うものがそろうでしょう。

では、どこにどんなものを売っているのでしょう? バラマキ土産を買うなら、どこで何を買えばいいでしょう? ミネラルウォーターなどの必需品はどこで調達すればよいでしょう?
個別に店を見ていきます。営業時間は私が個人的にネット上で調べたものです(2024年)。間違っているかもしれませんし、正しかったとしても今後変わる可能性もあるので、参考程度に見てください。
ケルントナー通りに並ぶ土産物店
ウィーン旧市街で最も人が集まる目抜き通りといえば、ケルントナー通りになるかと思います。ここにはいくつかの土産物店があります。東京でたとえると銀座のど真ん中に、ニューヨークでいうと5番街に、観光客向けの土産物店が軒を連ねているようなものです。そう考えると、観光客にとって、とても便利な街と言えるかもしれません。
ケルントナー通りにある土産物店をいくつか見てみましょう。
Oh Vienna(オー・ヴィエナ)
営業時間:午前9時~午後10時。(祝日を除いておそらく)無休。

ウィーン国立歌劇場とシュテファン寺院の中間あたりにあります。
店内です。マグカップやTシャツが目立ちます。

置物の人形で、左はモーツァルト、右は皇妃エリザベートです。

ウィーンで土産物の肖像になっているトップ3は、はっきりしています。モーツァルト、エリザベート、そして画家グスタフ・クリムトの傑作「接吻」です。個人的な印象ではありません。どこに行ってもこの3者で、断トツのトップ3です。
こちら、クリムトの「接吻」です。ベルヴェデーレ宮殿に展示されています。

では、なぜベートーヴェンではなくてモーツァルトが突出しているのかといえば、モーツァルトはオーストリアのザルツブルク生まれで、ベートーヴェンはプロイセン王国(現ドイツ)のボンで誕生しているからだと思います。ベートーヴェンは22歳ごろから亡くなるまでウィーンで活躍したわけですが、それでも今の概念でいうと「ドイツ人」になるわけです。
モーツァルトとベートーヴェンは街中にある記念碑をめぐっても、立場の違いがはっきりしています。モーツァルト像は「ブルクガルテン」(王宮庭園)という皇帝フランツ・ヨーゼフ1世によって整備された広い庭園内にあり、まさにオーストリアが国を挙げてその功績をたたえている感じです。一方のベートーヴェン像は、「ベートーヴェン広場」という緑地にひっそりとたたずんでいます。
というわけで、ウィーンという音楽の都にあって、その街が「顔」としている音楽家はベートーヴェンではなくモーツァルトなんだ、ということは頭に入れておいて損はないと思います。
店内に戻って、こちらはしおりです。ここにもモーツァルト、エリザベート、「接吻」があります。

キーホルダーです。ハプスブルク家の紋章である「双頭の鷲」も、土産物の意匠としてよく見かけます。

クリムト作品を用いた商品のコーナーです。マグカップや小銭入れなどがあります。

Mostly Mozart(モストリー・モーツァルト)
営業時間:午前9時~午後10時。(祝日を除いておそらく)無休。

先ほどの「Oh Vienna」より少し北寄りにあります。
店内です。入り口付近にはTシャツとマグカップが見えます。店内は幅は広くないですが、奥行きはそれなりにあります。

シュテファン寺院の置物(棚の上段)もポピュラーな土産です。2段目にある観覧車は、プラーター公園にあるものです。映画「第三の男」に登場したことで有名です。

ここにもモーツァルトとクリムトの「接吻」がいます。

店は「Mostly Mozart」(ほぼモーツァルト)という名前を冠していますが、それほどモーツァルト推しといった感じはありません。ここにしかないモーツァルトグッズがあるようにも見受けられず、他の土産物店とそれほど変わらない印象です。モーツァルトグッズを求めるなら、後述するモーツァルト・ハウスのショップに行くのが一番いいと思います。
Gustav Klimt Inspirations(グスタフ・クリムト・インスピレーションズ)
営業時間:午前10時~午後6時。日曜休日。
クリムトに関するグッズを多く取りそろえています。

「Steffl」(シュテッフル)というデパートの隣に店はあります。
やはり、こちらもクリムトの「接吻」が商品の中心になります。グラスやコーヒーカップなど、いろいろなものがそろっています。

写真手前の皿に描かれているのは、「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I」という作品です。その名の通り、アデーレ・ブロッホ=バウアーという女性をモデルに描いた肖像画で、ナチスドイツによる収奪を経て、現在はニューヨークの美術館に展示されています。写真左上の渦巻き模様が目立つ樹木は、「ストックレー・フリーズ」という邸内壁画で描いたもので、「生命の樹」と呼ばれています。クリムト関連の土産物において、「生命の樹」は「接吻」に次いで2番目に多く採用されているデザインだと思います。

バッグも「接吻」と「生命の樹」です。

2階に上がると、クリムト作品のパネルが並べられています。写真右手奥の絵は「生と死」で、レオポルド美術館に展示されています。

クリムト作品がお好きな方は、こちらに来れば何かしら望みのものが見つかるかもしれません。

クリムトに関するグッズは、一般の土産物店のほか、ベルヴェデーレ宮殿やウィーン美術史美術館などにもあります。ただ、クリムトに特化しているという意味で、こちらの充実度は一番ではないかと思います。
World of SOUVENIRS(ワールド・オブ・スーベニアーズ)
営業時間:午前9時~午後10時。(祝日を除いておそらく)無休。

店は、シュテファン寺院の向かいにあります。
店内です。マグカップはどの土産物店にもたいていある定番商品です。

ゴム製のアヒル人形です。写真右手の楽譜を持っているのは、ベートーヴェンです。こちらのアヒルも、いくつかの土産物店で見かけました。

中2階にある綿のバッグです。目を引くのは「NO KANGAROOS IN AUSTRIA」(オーストリアにカンガルーはいません)のバッグかと思います。オーストラリアと国名が似ていることをジョークにしたもので、シンプルながらなかなか秀逸かと思います。

こちらもバッグ。シェーンブルン宮殿などの建物がデザインされています。

中2階はこのような感じです。

マグネットは世界中、どの観光地に行ってもある土産物でしょう。ウィーンでは、まとめ買いをすると安くなる店が多かったです。

こちらは2階です。Tシャツなどを売っています。

われわれがウィーン旅行で訪れた土産物店で、最も広かったのがこの「World of SOUVENIRS」です。1階、中2階、2階と計3フロアあり、さまざまなものを取り扱っています。一般的にイメージする土産物は、ここに来ればたいがいそろっているのではないかという印象です。シュテファン寺院の向かいということで立地も良いです。ここでなければ買えないようなものがあるかは分かりませんが、品ぞろえがいいのは確かなので、一度は来店して損はないかと思います。
THE WORLD TO GO VIENNA(ザ・ワールド・トゥ・ゴー・ヴィエナ)
営業時間:午前10時~午後7時(月~土曜)。午前10時~午後4時(日曜)。

店が位置するのはケルントナー通りではないのですが、こちらのコーナーで紹介します。店は、「世界一美しい図書館」と言われるオーストリア国立図書館が建つ広場の向かいにあります。
店内はそれほど広くはありません。土産物店というより雑貨店という印象です。

こちらで紹介したいのは、この白いひげに丸眼鏡の人形です。これはジークムント・フロイトです。ウィーンで活躍した世界的に著名な心理学者なのですが、それにしても人形にしてしまうとは。旧市街の土産物店で、フロイト人形を見たのは、この店だけでした。

それにしても、どれくらい需要があるのでしょう。あまりなくても、オンリーワンの店を目指せば、やっていけるといういい証明なのでしょうか。

シェーンブルン宮殿とホーフブルクのショップは?
シェーンブルン宮殿とホーフブルクは、ウィーンを代表する人気観光地として、そろって挙げられると思います。どちらもハプスブルク家が利用した居城なので、ショップに並ぶ土産物は似ている面があります。では、どちらでの買い物を狙うべきなのでしょう。簡単にご紹介します。
シェーンブルン宮殿
ショップは、公開されている内部の部屋を全て見終わった先にあります。つくりとして面白いのは、連なる3部屋が利用されている点でしょうか。写真手前の部屋の先に別の部屋があり、その先にも抜けられるようになっているのが分かるかと思います。これら全部がショップになっています。きっと、ハプスブルク家が君臨していた時代からそのまま残っている部屋をショップとしているのでしょう。

ハプスブルク家の一番のスターは、やはりエリザベートです。シェーンブルン宮殿のショップにおいても、エリザベート関連の商品の多さはナンバーワンです。こちらの商品は「入浴セット」と書かれているので、シャンプーやボディーソープだと思います。

石鹸です。日本では固形石鹸は利用されなくなってきているように感じますが、諸外国ではどうなのでしょう。花柄のパッケージはきれいなので、固形石鹸を使っている人にあげるなら喜ばれるかもしれません。

エリザベートのマグカップです。同じデザインのものは、ケルントナー通りなどの土産物店にはなかった気がします。こちらのオリジナルでしょうか。

こちらは2番目の部屋です。

ペン類です。

置時計です。「Clock with music」と書いてあるので、時間が来たら音楽が鳴るタイプなのだと思います。

ピンぼけしていますが、マグネットです。ここにもエリザベートはいます。

扇子まで売っています。絵柄はシェーンブルン宮殿の庭園です。

綿のバッグです。デザインがシンプルで、とてもいいと思います。街中の土産物店にもシェーンブルン宮殿やシュテファン寺院をデザインした綿のバッグを売っていますが、個人的にはこれが最もいいと思いました。

書籍や菓子類も扱っています。

書籍の表紙でも目に付くのは、エリザベートです。ハプスブルク家は650年間も君臨して、エリザベート以外にも面白い人物は多くいるのですから、もう少しほかの皇帝なり皇妃なりにもスポットが当たっていいような気がするのですが、売れないと話にならないということで、どうしてもエリザベートに集中してしまうのでしょうか。

ホーフブルク
こちらのショップは、ホーフブルク内にある「シシィ博物館」を見学し終わった先にあります。写真はこの1枚しかないのですが、シェーンブルン宮殿に比べると、ショップの面積は狭いですし、それに伴って扱っている商品の点数も少ないです。

エリザベートをデザインしたグッズが多いという点では、シェーンブルン宮殿と同じです。シェーンブルン宮殿とホーフブルクの両方に行く予定がある人は、シェーンブルン宮殿の方が何かしらいいものが見つかる期待値は高いと考えていていいと思います。
美術館のショップはどんな感じ?
ウィーンには有名作品を所蔵した素晴らしい美術館がいくつもあります。そちらのショップにはどんなものを売っているのでしょう。
ベルヴェデーレ宮殿
ベルヴェデーレ宮殿が所蔵する最も有名な作品といえば、クリムトの「接吻」です。宮殿の上宮に展示されています。ベルヴェデーレ宮殿は団体のツアーにたいてい組み込まれていると思いますが、その中でも「接吻」は一番の目玉になります。展示スペースは、このようにごった返しています。

本稿は土産物の話なので、絵についてはこれ以上触れません。こちらがベルヴェデーレ宮殿上宮のショップです。

「接吻」が描かれた帽子や、「接吻」の人物が着てそうな上着など、なかなか攻めたグッズもあります。

やはり「接吻」が目立ちます。

上の段に置かれたノートの表紙に描かれているのは、クリムトの「ユディトⅠ」です。こちらもクリムト作品で大変有名で、数は多くないですがグッズになっているのを見ました。

ベルヴェデーレ宮殿には、上宮の入場チケットを持っていない人でも入れるショップが敷地内にあります。こちらは上宮内のショップに比べて狭くて、品ぞろえもそれほど良くないので、上宮を見学された人は無理に立ち寄らなくてもいいかもしれません。

ウィーン美術史美術館
ウィーンで最も規模が大きく、世界的に見ても有名な美術館です。建物の内部が壮麗で美しく、仮に絵画に興味がなくても訪れるだけの価値があると感じました。
その美術館のショップはこちらです。書籍関係が充実しており、ベルヴェデーレ宮殿に比べると、やや硬派な印象でした。

ウィーン美術史美術館は、フェルメール、ベラスケス、ラファエロ、アルチンボルドら、さまざまな有名画家の作品を所蔵していますが、中でも美術館側が最も売りにしているのが、ピーテル・ブリューゲルです。というわけで、ブリューゲルに関するグッズは、こちらは充実しています。

ブリューゲルは40点ほどしか油絵が残っていないとされていますが、そのうちの12点がウィーン美術史美術館にあり、世界一のコレクションとなっています。
もっとも目を引くのは、こちらのテディベアでしょう。ブリューゲルで最も有名な作品の一つである「雪中の狩人」をそのまま表面の生地にしています。チャレンジングだとは思いますが、オリジナリティは感じるので、ブリューゲル作品が好きな方にはいい土産になるのではないでしょうか。

美術館内にはもう1店、小さなショップがあります。こちらはアクセサリー関係を多く扱っており、先に紹介したショップとは装いが異なります。

ウィーン・ミュージアム カールスプラッツ
2023年12月にリニューアルオープンしたウィーン市立のミュージアムです。見るべき所蔵品として、個人的にはクリムトの「パラス・アテナ」がイチ押しです。
ショップです。書籍が目立ちます。土産物になりそうなものは、それほどない印象でした。私は「パラス・アテナ」のポストカードだけ買いました。

分離派会館(セセッシオン)
クリムトの壁画「ベートーヴェン・フリーズ」があることで有名です。とても素晴らしいです。クリムト好き、ベートーヴェン好きなら、間違いなく行くべきです。
そちらのショップになります。

「パラス・アテナ」を描いた綿のバッグです。さまざまな色があり、デザインもいいと思います。個人的に綿のバッグを日常で使うことがないので買いませんでしたが、用途があるなら間違いなく買ったと思います。

クリムト作品のグッズは「接吻」を筆頭にさまざまなところで売っていますが、「ベートーヴェン・フリーズ」をデザインした商品は、先に紹介したケルントナー通りの「グスタフ・クリムト・インスピレーションズ」も含めて、ここでしか見なかったと思います。ですので、「ベートーヴェン・フリーズ」が好きな人は、絶対にここに来なければいけないです。

ブックマークです。

レオポルド美術館
こちらは、エゴン・シーレの作品を最も多くコレクションしていることで有名です。ウィーンの画家と言えば、クリムトとシーレに尽きます。日本でシーレはあまり名前が知られていませんが、とてもエネルギーがあって面白い作品が多いです。
こちらがショップです。

やはりシーレに関するものが多いです。こちらは、美術館のガイドブックです。シーレの最も有名な作品の一つである自画像が表紙に使われています。

こちらのショップで最も刺激的なのは、こちらのデザインでしょう。この足が三角形に折れた奇妙な格好の人物は、レオポルド美術館のロゴマークになっています。

元ネタは、シーレの「Composition with Three Male Nudes(3人の裸の男の構図)」です。レオポルド美術館所蔵の作品です。

マグカップもあります。

音楽関連の店にはどんなものが?
ウィーンには音楽があふれています。そして、関連する土産物も、よその街より多く扱っていると思います。音楽の色が強い店をのぞいてみます。
モーツァルト・ハウス
営業時間:午前10時~午後6時。無休。
こちらは、モーツァルトがウィーンで最も長く暮らしたアパートメントです。内部が一般公開され、モーツァルト直筆の手紙や楽譜、関連する資料が展示されています。オリジナルグッズを扱うショップが併設されているので、土産物を探すこともできます。
シュテファン寺院の裏手の方にあります。モーツァルトと妻のコンスタンツェはシュテファン寺院で結婚式を挙げました。2人の葬儀もここで執り行われています。
入り口になります。本稿は土産に関する内容なので、展示に関する話は割愛します。

こちらがショップです。

マグカップやエコボトル、ワインなどがあります。

当たり前ですが、モーツァルトだらけです。街中にある土産物店にもモーツァルトの関連商品は多くありますが、こちらは他では見ないようなグッズが多かった印象です。

メモ帳や消しゴム、鉛筆などの文房具です。

モーツァルトの楽曲を演奏したCDが並びます。

モーツァルト関連の書籍もいくつか置いてあります。

モーツァルト・ハウスの限定商品がどれくらいあるのかは分かりません。でも、われわれが訪れた土産物店の中では、やっぱりここがモーツァルトグッズの充実度はナンバーワンでした。モーツァルトのファンであれば、訪れた方がいいと思います。
Hamtil & Söhne(ハムティル&ゾーネ)ウィーン国立歌劇場店
営業時間:午前10時~午後7時。(おそらく)日曜・祝日休み。

ハムティル&ゾーネは、旧市街の中に3店舗あります。そのうちの1店が、ウィーン国立歌劇場に出店しています。店の入り口はケルントナー通りに面しているので、オペラ等の鑑賞チケットを持っていなくても入店できます。
ウィーン国立歌劇場店に関して言えば、やはり音楽に関する雑貨が多いです。

マグネットにエドガー・ドガの作品があります。「音楽だけじゃないじゃん」と思いきや、「笛を吹く少年」とバレエの「踊り子」なので、やっぱり音楽に関係していました。

ウィーン国立歌劇場のオリジナルグッズを売っています。歌劇場グッズに関して言えば、われわれはこの店以外で見ていません。欲しかったら、こちらに来る必要がありそうです。

音楽に関する書籍が並べられています。

革製の眼鏡ケースなどを扱っています。音楽に関係ないように思えますが、よく見ると、ト音記号と「VIENNA」の文字が入っています。

Musikhaus Doblinger(ムジークハウス・ドブリンガー)
営業時間:午前10時~午後6時(月~金)。午前10時~午後2時(土)。日曜休み。

こちらの店は、楽譜や音楽雑誌が充実しています。ほとんどそれらで占められていると言ってもよいでしょう。

多くはないのですが、音楽関連の雑貨も売っています。ただ、そちらの棚の写真を撮り忘れました。
これでは、店の説明にならないので、私が個人的に買ったものを一つ紹介します。
こちら、「ベートーヴェン・ベア」です。その名の通り、ベートーヴェンがクマになった人形です。ベートーヴェンの肖像画と同じように赤いスカーフを巻いていて、ペンと楽譜を持っています。

このベートーヴェン・ベアは、ムジークハウス・ドブリンガー以外では見ませんでした。この店のオリジナル商品ということではないと思いますが、一目見て気に入ったので、買うことができてよかったです。髪の毛まで入れて高さ13センチほどで、頭の部分にはストラップが付いています。値段は15.8ユーロでした(案外高い)。
店はこちらです。
Haus der Musik(音楽の家)
営業時間:午前10時~午後10時。無休。
こちらは、ウィーンの音楽に関する資料館のような施設です。モーツァルトやベートーヴェンの手書きスコア(写し)などが展示されています。

面白いのは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮を疑似体験できる装置でしょう。ウィーン学友協会「黄金のホール」に並ぶ楽団員の映像を前に、自分が振る指揮棒の速さに応じて流れる音楽のスピードが変わります。なかなかよくできたアトラクションになっていると思います。

展示に関する説明は省略し、併設するショップだけほんの少し紹介します。
音楽の家には、このようなショップがあります。まずまず広いのですが、それほど取り扱う商品の数は多くないかもしれません。音楽関連グッズばかりです。

楽譜やピアノの鍵盤をデザインした商品が並びます。

モーツァルトのアヒルがここにもいました。

音楽の家はこちらです。ケルントナー通りから東へ折れて、170メートルほど進んだ先の建物に入っています。
日用品もバラマキ土産も、やっぱりスーパー
最後にスーパーについてです。スーパーは土産物店並みに大事だと思います。街の中心部には、日本と違ってコンビニがあるわけではありません。ミネラルウォーターなどは基本的にスーパーで買うことになるかと思うので、どこに店があるのか把握しておく必要があります。スーパーにどんなものを売っているのか、簡単にご紹介します。
BILLA CORSO(ビラ・コルソ)オペルリンク店
営業時間:午前7時30分~午後8時(月~金曜)。午前8時30分~午後6時(土曜)。
日曜・祝日休み。

ウィーン国立歌劇場の向かいにあるスーパーです。立地がとてもよく、われわれはここを最もよく利用しました。
注意点は、日曜は休業日であるということです。カフェや土産物店など主に観光客を相手にしている店は、多くが日曜日も営業しているのですが、スーパーは地元の人向けということなのか、ほとんど開いてません。ですので、日曜日に必要なものは、土曜日のうちに買っておきましょう。
店内です。バナナは果物ナイフなしにそのまま食べられるので、旅先では重宝します。

外国に行くと果物がおいしそうに見えるのは気のせいでしょうか。気のせいだと分かっているのですが、いつも目を奪われます。

野菜もみずみずしく見えるのが不思議です。気のせいだとは思うのですが。

冷蔵コーナーにあるミネラルウォーターです。値札を見てもらえば分かりますが、1ユーロに満たない程度で買えます。

ミネラルウォーターは常温のものもあります。炭酸入りのボトルもあるので、間違えて買わないようにしましょう。炭酸が入っていないものには、ラベルに「STILL」の記載があります。

冷蔵の飲み物が並ぶ棚には、おいしそうなジュースが多くあります。

いわゆる菓子パンです。

パンのコーナーです。ドイツ発祥の菓子パン、プレッツェルが見えます。オーストリアは同じドイツ語圏なので、いろいろなところで売っています。

チーズの棚です。他のスーパーもそうですが、ウィーンはチーズの種類が豊富で、とても充実しています。

歯ブラシや歯磨き粉などの日用品も売っています。

さて、バラマキ土産になりそうなコーナーです。モーツァルトや皇妃エリザベートが描かれたチョコレートなどの菓子が並びます。食べていないので味は分かりませんが、一目でオーストリアのものだと分かるのは、ポイントが高いと思います。値段も割と手ごろです。

エリザベートは「Sisi」(シシィ)という愛称で親しまれていました。こちらのパッケージは「SISSI」とSが一つ多いのですが、こういう表記もあるようで、間違いではないようです。

下の方の棚には、シェーンブルン宮殿などウィーンの観光名所をパッケージにあしらったチョコレートなどがあります。

この辺の菓子類は地元の人が買うようなものには思えないので、明らかに観光客狙いの品ぞろえでしょう。

モーツァルトの顔が入った板チョコです。

モーツァルトのハート形チョコレートです。

個人的にいいなと思ったのは、こちらのチョコレート「Mozart Koogles」です。モーツァルトが商品名にもパッケージにも入っていてオーストリアらしさがある上に、カラフルでデザインがいいので、ばらまき土産としてではなく箱のまま贈り物にしてもいいと思います。

オーストリアのお菓子といえば、やっぱり「Manner」(マンナー)です。ウィーンを旅行した人なら、おそらく一度は目にするメジャーなお菓子です。メジャーすぎて、土産物としていいのか分かりませんが、そういうことを気にしないのであれば、これでもいいと思います。マンナーを代表する商品はウエハースのようです。味はロッテの「ビックリマンチョコ」に近くて、結構おいしいです。

ちなみに、マンナーはケルントナー通りなどに直営店があります。こちらは、量り売りでチョコレートが買えるなど訪れる価値はあるのですが、値段は同じ商品であれば、若干ビラ・コルソの方が安かった気がします。

直営店にしかないものもあるので、ぜひ一度は行ってみてください。

Julius Meinl(ユリウス・マインル)
営業時間:午前8時~午後7時30分(月~金曜)。午前9時~午後6時(土曜)。
日曜・祝日休み。

「ユリウス・マインル」は、旧市街にある高級スーパーです。日本でいうと、紀伊国屋や成城石井と同じような雰囲気があるスーパーかと思います。
店があるのは、「コールマルクト通り」です。高級ブランドショップが集まる「グラーベン通り」と交わる道で、近くには「デメル」本店があります。
店内です。入り口にカフェスペースとデリがあります。

街歩きに疲れたら、ここで一休みできるでしょう。

デリで売っている惣菜です。

陳列棚です。オーストリアだけではなく、ヨーロッパ諸国のさまざまな商品を取り扱っています。値札のところに国旗が描かれているので、一目でどの国のものか分かるようになっています。

UAEのチョコレート「アル・ナスマ」も売っていました。ラクダのミルクが混ぜられています。われわれは、かつてドバイに行ったときに買いました。

ビラ・コルソのコーナーでも紹介した「MOZART KOOGLES」が、こちらにもあります。

こちらは2階になります。ワインが多くあります。

ワインのほか、ウィスキーなどもそろっています。

ユリウス・マインルは高級スーパーだけあって、ビラ・コルソにはないものが多くあります。オーストリアだけではなくヨーロッパ全域のいいものがそろっている印象です。食に関するもので、質のいい土産を求めるなら、ここに来れば間違いないと思います。
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