世界最高峰のホテルグループ/ブランドを挙げるなら、現状では間違いなくこの2つになるでしょう。
老舗のザ・リッツ・カールトン。
1990年代に急成長を遂げたフォーシーズンズ。
東京には、もちろん両ホテルが存在します。
そして、どちらでもアフタヌーンティーを楽しめます。
では、そのアフタヌーンティー、一体どちらが上なのか。
どちらか1つ行くとしたら、どっちを選ぶべきなのか。
様々な観点から比べてみました。
フォーシーズンズ丸の内のモティーフレストラン
まずはフォーシーズンズから。
小じんまりとしたホテルなので入り口は目立ちません。
もっとも、東京の外資系高級ホテルはえてして、1階の入り口ひっそり、エレベーターで上がったら豪華、というところが多くあります。

モティーフレストランからの眺望。
新幹線や山手線が見えます。

ウェルカムドリンクとして出てきた冷たい紅茶とオレンジジュース。
このジュース、素晴らしかったです。オレンジをベースにしながら、柑橘系の果物をいくつか混ぜて作られていると思います。
甘くて濃厚なのに、くどくなく、酸味が少しあって、バランスがいい。
今までに飲んだジュースの中でナンバーワンのおいしさでした。

トリュフポップコーンとクミンチップ。
いやぁ、珍味。
クミンチップは、まさにクミンの香りがすごく利いていて、今までに食べたことがないような一品でした。
トリュフポップコーンも、その名の通り、トリュフの高級感ある香りがします。
そんなパウダーをポップコーンにまぶすのは、もったいないと感じてしまうほどです。

最初のプレート。
やはり目玉は和牛ミニバーガー。
フォーシーズンズのアフタヌーンティーと言えば、まず名前が出てくるほど有名です。
味は、まずまず。もちろん、おいしいですけど、予想していたほどではなかった、というのが正直な感想。
やや肉に火を通し過ぎなような気がしました。
「和牛」をうたっている以上、それなりにいい肉を使っているのでしょう。
ただ、そうであるなら、ミディアムレアで、肉汁が少し垂れるくらいがいいのでは、と感じました。
フォーシーズンズ・ボラボラで食べたビーフバーガーはまさにそんな肉で、人生で食べたハンバーガーで最高の逸品でした。
もしかしたら肉汁が垂れるようなバーガーは、こういう場だと女子が嫌うのかな。
そんな観点から火を十分に通しているのかも。
個人的には、和牛ミニバーガーより、サーモンマリネのムースがおいしかったです。
これは絶品です。

2つ目のプレート。
チョコレートケーキは、カカオの深みが感じられます。
薔薇のマカロンは、とてもフレーバー。
洋梨とアーモンドのタルトがとりわけ美味でした。

スコーンにはストロベリージャムを。
瓶はフォーシーズンズのシールで封がされています。

リオレグレープフルーツのコンフィと米の牛乳煮。
最後に出てきます。
米粒の食感と甘みがそのままあって、そこにグレープフルーツの甘みも加わってくるという独特の味。
これは好みが分かれるでしょう。

紅茶は30種類くらいの用意があり、なんと飲み放題。
さまざまなものを味わえます。

飲み放題なので、いろいろ注文してしまいます。

抹茶もあります。
ただ、きちんと点てた深い味では決してなかったです。

鉄瓶で煎茶やほうじ茶なども注文できます。

店内の雰囲気。
テーブル間の距離は、割とゆったり。

店内に入ってすぐ目の前にあるバー。
丸の内の街並みが見渡せます。

インスタグラムでフォーシーズンズのアフタヌーンティーを紹介したら、その場で、はちみつをもらえました。

ザ・リッツ・カールトン東京のザ・ロビーラウンジ
では、次はリッツです。
こちらも入り口はこじんまり。
東京ミッドタウンに入居しています。

ザ・ロビーラウンジ入り口。

ザ・ロビーラウンジの内観。
隣のテーブルが気にならないくらい十分なスペースが空けられています。
天井は高く、とても心地いい空間です。

席に案内されたら、まず紅茶をどれにするか尋ねられます。
ダージリン、アールグレイといった有名どころから、リッツのオリジナル、
ジンジャー&レモンといったフレーバーなものまで12種類あります。
小さな容器に入っている茶葉の香りをかぎながら、選ぶことができます。

フォーシーズンズと違って、こちらは1人1種類しか味わうことができません。
慎重に決めましょう。
コーヒーもありますが、コーヒーを選ぶと、紅茶は選べません。
紅茶かコーヒーか。どちらかです。
さて、来ました3段トレー。
フォーシーズンズと違って、こちらはクラシックなスタイルです。

上の段。
野菜スティックとカシスのジュレ。
このジュレは上品なテイストでした。

中段。
フィンガーサンドイッチやラップサンドなど。

下の段。
ケーキ類。
チョコレートケーキは真にカカオの味わいにこだわって作られているように感じました。

3段トレーに加えて、スコーンが別の皿で来ます。

スコーンのジャムは12種類。
テイスティングして選べます。

45階、ザ・ロビーラウンジからの眺め。
こんな景色を見ながら楽しむティー、最高です。

東京タワーや虎ノ門ヒルズも見えます。

では、結局どちらを選ぶ?
フォーシーズンズとリッツカールトン、両方のアフタヌーンティーを体験してみました。
細かく項目別に軍配を上げてみましょう。
(あくまで筆者の主観です)
【ケーキの味:互角】
これはいい勝負。甲乙つけがたい。
【スコーンの味:リッツ】
リッツは温めたものを別皿で持ってきて、温かいうちに先に食べるようスタッフに言われます。
よりおいしい状態のものを口にしてほしいという店のこだわりが感じられます。
【その他の料理の味:フォーシーズンズ】
フォーシーズンズの方が手が込んだものを出してくる印象です。
リッツは良くも悪くも無難なものが多いかな。
【食べごたえ:フォーシーズンズ】
和牛ミニバーガーやポップコーンが利くのか、結構お腹いっぱいになります。
対して、リッツは食べ終わっても多少足りない感覚が残りました。
【料理の目新しさ:フォーシーズンズ】
クミンチップスやトリュフポップコーンなど未体験の味がいくつもあります。
【アフタヌーンティーとしての様式美:リッツ】
リッツは3段トレーで伝統にのっとった形です。
1つ1つのトレーをいかに美しく見せるか、という観点から逆算して料理やケーキが作られているような気がします。
対して、フォーシーズンズは1枚のプレートに料理が乗せられており、自由が感じられます。
【飲み物の質:互角ないしリッツ】
紅茶だけならリッツがややおいしかったかもしれません。
ただ、フォーシーズンズの一杯目として出されたジュースがあまりに素晴らしかったので、ほぼ五分ということに。
【飲み物の種類:フォーシーズンズ】
これはシステムの違いなので、仕方ないでしょう。
リッツにも紅茶の種類は多くありますが、1種類しか味わえない以上、フォーシーズンズの方がお得感があります。
【店の雰囲気:リッツ】
高い天井、広い空間、重厚感ある装飾。
高級感があるのは圧倒的にリッツです。
玉にきずなのは、ピアノ演奏の音量でしょうか。
ピアノから最も離れた場所に座っていたにもかかわらず、ややうるさく感じました。
演奏会ではなく、あくまでBGMなのですから、音は小さめであってほしいと感じました。
【眺望:リッツ】
言うまでもなく、これもリッツの完勝です。
45階フロアからの眺めは、素晴らしいものがあります。
【値段の安さ:フォーシーズンズ?】
プランにもよるので確実なことは言えませんが、概してフォーシーズンズが安いようです。
公式HPに出ている値段は、フォーシーズンズが5,555円。
消費税・15%のサービス料が別なので合算すると約6,800円。
リッツはサービス料・税込みで7,400円。
一休などのサイトを見ても、ややフォーシーズンズが安い感じです。
【結論:???】
多くの飲み物を味わえて、料理の量も多く、質も総じて高い。しかも値段もやや安い。
その意味ではフォーシーズンズの方が上ということは言えると思います。
ただ、リッツには店の高級感と眺望、東京ミッドタウンという立地の良さがあります。
(フォーシーズンズも丸の内という便利な場所ではありますが…)
何かの記念日だったりデートだったり、そういう場にふさわしい演出ができそうなのは、リッツでしょう。
ケースに応じて使い分ければ、それぞれの良さ、特長を引き出せる気がします。
結論として言えるのは、そういうことです。
でも、もう1度行くとして、どちらか必ず選べと言われたら、個人的にはフォーシーズンズかな。
以下は、ザ・リッツ・カールトン京都、フォーシーズンズ京都、ザ・リッツ・カールトン沖縄のアフタヌーンティー記事。

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